ホンダeは市街地で運転しやすい、コンパクトで小回りが利く
ホンダの電気自動車「e」が2020年秋にも日本発売される見込みとなっている。
Honda eは2019年3月のジュネーブモーターショーでプロトタイプが公開され、既に欧州向けにはセールス活動が開始されている。
そして、日本向けにも東京モーターショー2019で出品を果たしており、国内販売も確定的となっていた。
Honda eのボディサイズは、欧州仕様のスペックによると、全長3894mm×全幅1752mm×全高1512mm。ホイールベースは2530mmとなる。需要が高いBセグメントハッチバックカーとして仕上げられ、販売台数を積極的に狙いに行った感じがする。
バッテリー容量が35.5kWhと少なめに設定されているのも特徴の一つ。
フル充電からの航続距離は200km程度と短いものが想定されるが、Bセグメントカーに求められるシティコミューターとしての役割を果たし、なるべく低価格に抑えることが目指された。
後輪駆動であることも特徴の一つ。そのメリットを活かし、最小回転半径は4.3mとかなり小回りが利く。ちなみに全く同じホイールベース長を持つ3代目現行フィットの最小回転半径は4.7mである。
このほか欧州仕様によると、最低地上高として145.2mmが設定される。
駆動モーターのスペックは、
最高出力 136ps、
最大トルク 315Nm、
最高速度 90mph(約145km/h)となる。
車両価格については、これまでの一般的な量産EVよりもバッテリー容量を少なくして、低価格化したということであるが、それなりのプライスとなりそうである。
ドイツ価格は2万9470ユーロ、イギリス価格2万6160ポンドと、日本円換算にして約360万円が設定されている。日本仕様もこれに近い価格帯となることが想定される。
エクステリアは、1967年発売のホンダN360をルーツとしたような、丸目のヘッドランプユニットが特徴的。このクラシックスタイルのボディ形状により、Aピラーは近年のトレンドよりも立たされている。これに加えて、ドアミラーがカメラ式となっているため斜め前方の視界が非常に良い。もちろん斜め後方視界は室内モニターによって映し出された映像により、死角が大幅に減らされている。これら視界の良さからくる運転のしやすさは、アピールポイントとなりそうである。
ポップアップ式の前席ドアハンドルも特徴の一つで、展示車両を開けてみた。
このショーモデルでは、ドライバー側ドアの場合、ドアハンドル右端を指で押すことでハンドル引き手が出てくるシンプルな構造であった。市販型では、ハイブランド車のクーペモデルにありがちな電動ポップアップ機構の装備も期待したい。
ホンダe インテリアの質感は上々、後席とラゲッジの容量不足は妥協が必要
ファブリックシートは、高級感こそ薄いが決して安っぽくはない。北欧家具のソファーのような質感である。
木目調パネルもインテリアデザインのなかで占める面積が大きいが、例えばトヨタの上位グレードにありがちなプレミアムイメージを連想させる光沢感は出されておらず、ファブリックの素材にマッチしたナチュラルな印象に仕上げられている。
ダッシュボード左右いっぱいに配置される液晶ディスプレイは、いかにも次世代カーに乗っている気分にさせられる。
中央のエアコンコントローラーのデザインもなかなか特徴的、昭和時代の軽トラに装備されていたラジオ風でレトロイメージを意図的に狙ってきた感じがする。
その下にはAC100V電源、USBポート、HDMI端子があり、最近のデバイスであれば、あらゆるものと接続可能となるだろう。
後席シートはBセグメントカーのなかでもタイトな印象。日常の短距離移動が主目的であるから、3名以上乗車の快適性については割り切られている。グレーのシートファブリックとブラウンのシートベルトとのカラーコーディネートが、上品さを感じさせる。
ラゲッジルームを見ていきます。
後輪駆動ということで、おそらくこの下にはパワートレイン関連の一部があるはず。ラゲッジに深さが足りない。さらにフィットと比較して全長が約10センチ短いということもあってか奥行きも足りない。ラゲッジ広さは、Bセグメントカーの標準容量よりも少なく感じる。リアシートは可倒式ではあるが、左右分割に対応していない。2名以下乗車であれば、ラゲッジの拡大が可能となる。