ハスラーが完成度を高め2代目へ、強気の低価格モデル無し
スズキの軽自動車、ハスラーがフルモデルチェンジを受けて2代目モデルに切り替わりました。
エクステリアは個性的かつタフで力強いスタイル。
パッケージングは広くて使いやすい室内と進化しています。
安全運転支援システム スズキ セーフティ サポートはさらに充実しました。
走行性能と快適性能が徹底的に鍛え上げられています。
ナビゲーションシステムは、大画面で見やすく、操作しやすくなりました。
今回の動画ではこういった新型「ハスラー」の特長、詳しく見ていきます。
新型ハスラーは昨年2019年秋の東京モーターショーで、ほぼ市販型のコンセプトモデルが発表されていましたが、映像はその時に撮影したものとなります。
2020年1月20日に正式発売となりました。
販売目標台数は月間6,000台。
パワートレインラインナップは全車マイルドハイブリッド、エンジンは自然吸気とターボの両方が設定されます。
トランスミッションはすべてCVTで、FF(2WD)と4WDが用意されます。
グレード構成、車両価格
新型ハスラーのグレード構成、車両価格を見ていきます。
エントリーモデル、HYBRID G (NA,FF)が消費税込み車両価格136万5100円。
充実装備のHYBRID X (NA,FF)が消費税込み車両価格151万8000円に設定されました。
いずれもターボモデルが9万4600円高、4WDモデルが13万4200円高で設定されています。
エクステリア
エクステリア、詳しく見ていきます。
初代モデル大ヒットからの2代目モデルということで、エクステリアについては手堅くキープコンセプトという印象です。
ひと目でハスラーとわかる個性的なキャラクターは踏襲。さらにタフで力強いスタイルを融合させたものとなっています。
丸型ヘッドランプとスクエア基調のグリルは初代ハスラーから続く特徴的なデザインです。2代目モデルではフードを持ち上げることで厚みのある顔周りが表現されています。
ピラーは従来型から立たされており、ロングルーフ化されています。
スクエア型の大きなキャビンが実現しました。
従来型のピラーはブラックアウト化されていましたが、新型のピラーはボディー同色とし、ピラーの存在をしっかり見せることで、力強く、頑丈なイメージが与えられました。
鉄板による張りや曲げなどの特徴を追求し、強く深みのあるボディー断面を表現したエンジンフードとサイドボディーとなっています。
ロングルーフ化により、リヤクォーターガラスが設置され、広い斜め後方視界が確保されました。
ボディカラー
ボディカラーではクロスカントリーモデルでトレンドとなっている、遊び心ある斬新な2トーンカラーが採用されています。
ガンメタリック2トーン3色、ホワイト2トーン3色、モノトーン5色の全11色を設定。
なかでもガンメタリック2トーン仕様車には、新色の「バーミリオンオレンジ」、「デニムブルーメタリック」が用意されています。
インテリア
次はインテリアのほうを見ていきます。
「タフで機能的」、そして「遊び心」を刺激する先進的でワクワクするインテリアデザインとしています。
インパネデザインはタフな世界観を演出する3連インパネカラーガーニッシュを採用。
上下のバーでガーニッシュを挟み、力強い骨格が表現されています。
スピードメーターは、4.2インチのカラー液晶パネルが採用されます。視認性だけでなく、アニメーションにもこだわり、日々の運転を楽しくサポートします。
インパネとドアトリムには車体色に対応した3色、バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイトのカラーパネルが採用されています。
シートは縞鋼板柄の表皮に、車体色に対応した3色、こちらもバーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイトのカラーアクセントが採用されます。
パッケージング
次に、正常進化したと言われるパッケージングを見ていきます。
ホイールベースを初代ハスラーから35mm延長することで後席乗員の足元空間が確保されます。
前席は左右乗員間距離が30mm拡大されています。快適で広い室内空間が実現されました。
ホイールベースの拡大に伴い、アプローチアングルが1°、デパーチャーアングルが4°拡大しています。クロスオーバー車に求められる走破性が向上されました。
そんななか最小回転半径は4.6mで、初代モデルの取り回しの良さが維持されています。
そして、ラゲッジスペースは、日常から遊びのシーンまで使い勝手が大幅に進化しました。
荷室側からも操作可能なスライド用ストラップを後席背面に採用し、シーンにあわせてラゲッジスペースの荷室容量の調整が可能となっています。
後席の背面やラゲッジフロアは汚れをふき取りやすい素材となっています。
荷室下には防汚タイプのラゲッジアンダーボックスを採用。ラゲッジボードを外せば荷室高が拡大し、背の高い荷物を収納することができます。また、ボックスは取り出して洗うことができ、汚れたものの収納にも便利となっています。
安全運転支援システム
次に安全装備です。
ステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」は夜間の歩行者も検知します。
「ハイビームアシスト」としてヘッドランプのハイビーム /ロービームを自動で切り替える機能も採用されました。
「標識認識機能」では一時停止標識を追加。
「後退時ブレーキサポート」「後方誤発進抑制機能」、「リヤパーキングセンサー」ではリヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーで後方の障害物を検知し、後方の安全を支援します。
自車の前方および後方の左右から人や物が近づいてくることをお知らせする「左右確認サポート機能」もついています。
「フロントビュー自動表示機能」は、シフトレバーをバックからドライブに切り替えた際に、カメラ映像がフロントビューに自動で切り替わります。
全方位モニタ「3Dビュー」も採用。フロント、リヤ、左右両サイドの計4か所に設置したカメラの映像を合成処理し、自車周辺を俯瞰的に見ているような映像がモニターに映し出されます。周囲を立体的に360°確認することができます。
これらのほか
「誤発進抑制機能」、「車線逸脱警報機能」、「ふらつき警報機能」、「先行車発進お知らせ機能」も採用されています。
そしてターボ車には、「全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール」と
「車線逸脱抑制機能」が採用されます。スズキの軽自動車としては初めてとなります。
走行性能と快適性能
次に走行性能と快適性能です。
日常使いから高速道路まで、幅広い速度域で優れた燃費性能を実現します。
NA車は新開発のR06D型エンジンを搭載し、低速から中高速までの実用速度域で優れた燃費性能と軽快な走りを実現します。
そして、スズキ軽初のデュアルインジェクションシステムを採用。1気筒あたり2つのインジェクターで燃料を微粒子化することで、燃料と空気の混合気を均質化。燃焼効率を高め、燃費も走りも向上したとしています。
スズキ軽初のクールドEGRを採用し、燃焼温度を抑制することでノッキングの発生を抑え最適なタイミングでの燃焼が実現されています。
ターボ車は、ゆとりの動力性能を備えるR06A型エンジンが採用されます。
トランスミッションは、軽量化と高効率化により、優れた燃費性能と軽快な走りを両立させた新開発CVTとなります。低中速域でのスムーズな走りと、高速域ではハイギヤード化により燃費性能と静粛性に貢献しています。
プラットフォームは新世代の「HEARTECT」を採用し、軽量・高剛性を両立させたとしています。
操作性が高められ、振動を徹底的に抑えたステアリングは、意図した通りに車が動く操舵感が実現されました。
専用チューニングを施したサスペンションは優れた乗り心地となっています。
バックドア、センターピラー、サイドドアで、それぞれ「環状骨格構造」を形成することで、ボディー全体での剛性アップが図られました。
ボディーのスポット溶接部には「構造用接着剤」がスズキ初採用となっており、
部品間のわずかな隙間を埋めることで接合が強化されています。
ボディー全体の剛性が向上し、優れた操縦安定性、乗り心地が実現されています。
さらに、こもり音や雨音を低減する「高減衰マスチックシーラー」が軽自動車で初めて採用され、静粛性の高い室内空間となっています。
4WDシステムは、雪道やアイスバーンでのスムーズな発進をサポートする「スノーモード」が新たに加わっています。
ぬかるみや滑りやすい路面で発進をサポートする「グリップコントロール」、急な下り坂で車速を約7km/hで維持する「ヒル ディセント コントロール」とあわせて4WD車に標準装備となります。
ナビゲーションシステム
ナビゲーションシステムはメモリータイプとなります。高画質で大型の9インチHDディスプレイが採用されており、これはスズキ初のメーカーオプション設定となります。
斜めからもよく見え、運転席と助手席の両方から高い視認性と操作性が実現されています。
GPSに加え、「みちびき」「グロナス」を測位可能とし、ビル街や山間部など測位が難しいエリアでの自車位置精度が向上しています。
さらに、走行距離や平均燃費などの走行に関するリアルタイムな情報や、あるいは半ドア状態やシートベルト未装着などの警告など、さまざまな情報が示されます。
そして、車内でも安心、安全にスマートフォンアプリの機能を使用できる「スマートデバイスリンク」に対応し、スマートフォン連携機能が充実しています。
全方位モニターが採用され、これによる鮮明な映像が9インチ大画面に表示されます。
2014年発売、大ヒットとなった初代モデルの登場から6年を経てのフルモデルチェンジ。
新型ハスラー2代目モデルは、外観はキープコンセプトながらも、中身は正常進化を果たしています。